開発スケジュール?
見積もり工数が6人月なら3人でやれば2ヶ月だな!
それ、絶対ダメなパターン・・・
会社は人が集まって活動し利益を生む組織です。
会社の仕事にはスケジュールがあり、いつ頃までにどんな状態になっている予定か見通し立てることが求められます。
そのスケジュールを作るときに作業量である見積もり工数を人数で割ってスケジュール化する人が居ます。
営業「6人月の工数なら3人居れば2ヶ月で終わる!」
こんな計算をすることがありますが、これは大間違いです。
では一体どこがマズイのか。
そこで今回は見積もり工数を人数で割る営業やPMがダメな理由について解説します。
書いている人
ITエンジニア。
SE、機械学習エンジニア、データサイエンティストなどの経験がある。
転職経験3回。
ロジカルに考えるのが得意。
記事を読むメリット
見積もり工数を人数で割る営業やPMがダメな理由がわかり、会社の良し悪しを評価する視点が増える
見積もり工数を人数で割る営業やPMがダメな理由
見積もり工数を人数で割る営業やPMがダメな理由、それはスケジュールを組み立てる能力が無いからです。
冒頭でも述べましたが、スケジュールを作るときに見積もり工数を人数で割るのは御法度です。
6人月の作業を3人でやれば2ヶ月で終わるんじゃないの?
3人で並列に進められるような単純作業じゃないでしょう
単純に作業量を人数で割れば早く終わるように考えるかもしれませんが、会社の仕事がそのような単純な並列作業に分割できることは稀です。
仕事の進め方には順番というものがありますし、前の工程が終わる前に次の工程が進められないこともあります。
そして1工程だけ取り上げても、複数人で分担することで早くなるものとは限りません。
ですのでこんな事を言う人間は論外なわけです。
営業「6人月の工数なら3人居れば2ヶ月で終わりますわ!」
プロジェクトのスケジュール作成で大事なのはクリティカルパス
プロジェクトのスケジュール作成で大事なのはクリティカルパスです。
クリティカルパスとは、これ以上短縮できない最短の経路のことです。
例えば作業A、B、C、Dがあり、BとCが同時並行に作業できてBよりもCの方が時間がかかる場合、A+C+Dの時間は絶対に必要になります。
これがクリティカルパスです。
プロジェクトマネジメントにおいてクリティカルパス(経路)とは、必要な時間を積算したときに最長となる一連の活動を意味する。これによって、プロジェクト完了までにかかる最短時間を決定できる。クリティカルパス上の活動に遅延が生じると、プロジェクト完了予定日に直接的な影響が生じる。
クリティカルパス法 - Wikipedia
工数を人数で割っただけで必要な時間を算出したつもりになっている人は、このクリティカルパスの概念がまず理解できていません。
お仕事の手順は単純な算数じゃないんですよ
複数人で作業しても単純な割り算にはならない
工数を人数で割り算してしまう人は「複数人で作業しても単純な割り算にはならない」ということもわかっていません。
1つの工程を2人で分担して半分の時間で終わるのは、その工程が1人1人で独立して進められる単純作業の場合のみです。
複雑な工程の場合は互いにどう進めるかの調整が必要です。
3人、4人と増えるとその調整がさらに多く必要になります。
そうすると3人だから3分の1の時間で済むようにはなりません。
むしろ説明に余計な時間がかかって遅くなることすらあり得るでしょう。
これを理解していないと単純な算数に走ってしまうことになります。
説明が必要な仕事で単純な割り算は成り立たないですね。
まとめ
今回は見積もり工数を人数で割る営業やPMがダメな理由について解説しました。
見積もり工数を人数で割る営業やPMがダメな理由、それはスケジュールを組み立てる能力が無いからです。
工数を人数で割ってスケジュールにできると考える人は、以下のポイントを理解していません。
スケジュール作成のポイント
- 仕事にはクリティカルパスが存在する
- 複数人で作業しても単純な割り算にはならない
このような点を考慮できないということは、普段の業務でもまともにスケジュール管理できないという可能性は高いです。
無茶なスケジュールを掲げては「何故できないのか!!」とパワハラ気味な叱責が飛び交うことでしょう。
このような会社に居続けることは、使い潰されるリスクが大きいので避けたほうがいいと言えるでしょう。
無茶苦茶なスケジュールでも、作った側はそうは思っていないと説得が不可能な場合があります。
とはいえ転職は簡単ではなく、実績やスキルが求められます。
転職するにはスキルを高めておいて「辞めてもすぐに就職できる」ようにすることが肝要。
そこでITスキルを高めるのがオススメ。
スキルを高めておくと入った会社がダメでも「この会社を辞めても生きていける」という安心感が出てくるので、今後生きていく上での難易度が下がります。
また今いる会社がブラック企業で、退職を言い出すのすら難しい場合は退職代行を使うのも手です。